【ピヨ🐣「流鏑馬神事」とは?】
”失踪”する勢いほどに”疾走”する疾馬の馬上から、およそ55cm四方の的を射るという古典的な神事の一つ。
鎌倉時代や江戸時代の装束に身を包んだ10人射手が、参道に設けられた約250メートルの馬場を馬で駆ける。
射手が見事、的を射ると大観衆から「おお!!」などという拍手喝采と共に、会場の熱は一気にヒートアップする。
日光東照宮の流鏑馬神事の歴史
流鏑馬(やぶさめ)は、約900年前の平安時代末期に、朝廷の護衛を担当していた武人らが始めたとされ、鎌倉時代に初代将軍・源頼朝公が鶴岡八幡宮に奉納したことで盛んとなり、武士たちの間に広がりました。
戦法の変化から次第に廃れたものの、江戸時代の8代将軍・徳川吉宗が復活させたと言われています。
日光東照宮では、戦後の復興を目指す人々を鼓舞し、日本人としての誇りや自信を取り戻してもらうという目的で、1953年(昭和28年)に始まりました。
日光東照宮の世界遺産登録を翌年に控えた1998年からは、春に加えて秋にも開催されるようになり、東日本大震災の影響で中止となった1回を除き、毎年2回行われています。
流鏑馬は、「東海一の弓取り」と呼ばれた徳川家康公や、流鏑馬が流行するきっかけとなったと言われる源頼朝を祀る、日光東照宮にふさわしい神事と言えるでしょう。
流鏑馬が行われる馬場について
- 全長:約220m
- 標高差:約18m
馬が駆け抜ける馬場はおよそ220mの長さで、出発点が標高622mであるのに対し、到着点が標高640mの上り坂となっているのが特徴です。
射手は馬を走らせながら、馬場に設置された縦横55cmの3つの的を射抜きます。
神事は平安時代に源頼朝公が鎌倉の鶴岡八幡宮に奉納した頃の古儀に則って行われます。
流鏑馬の種類と射手の装束
実は、奉納される流鏑馬には2種類あります。
1つが流鏑馬で、もう1つは軽装で行う流鏑馬の1種「騎射挟物(きしゃはさみもの・平騎射)」です。

流鏑馬の射手は通常3名で、綾藺笠(あやいがさ)と呼ばれる帽子のようなものを被り、武士の装束としては一般的な直垂(ひたたれ)と呼ばれる上着を着て、腰には太刀を付け、長い弓を持っています。
一方、騎射挟物(平騎射)の射手は通常9名ほどで、江戸時代の武士の軽装束を身に付けています。
射手の掛け声
馬を走らせている射手は、矢を用意する間に掛け声をかけることになっています。
「インヨー(イ)」
これは漢字にすると「陰陽」です。
鎌倉時代、武士の教えには陰陽道(おんみょうどう)が取り入れられていました。
日光東照宮で流鏑馬を披露する射手たちの流派「小笠原流」の祖・小笠原長清は鎌倉武士だったので、流鏑馬の馬場や教えの色々な部分に、陰陽道の影響があるのです。
「陰陽」の掛け声は、宇宙、そして神と通じるためのものと考えられています。
馬が走るスピードに圧倒されてしまいますが、射手の掛け声や、的を射抜いた時の「パーン!」という音にも、ぜひ、注意してみてください。
16日は「神事流鏑馬」小笠原流一門による流鏑馬奉納が執り行われます。
【ピヨ🐣「小笠原流一門」とは?】
小笠原流一門とは「小笠原長清」と言う人物を祖先とした「弓馬術」という馬を走らせながら、目的の的に弓を射る競技のことを言います。
そして「小笠原流・弓馬術」とは、弓馬術を中心とした「武人の心得」や「清い心の保ち方」・「礼儀作法」(=礼法)などを取り入れた独特の弓馬術のことをいいます。
のちにこれが流派となり、「弓馬術」と「礼法」と合わせて「小笠原流・弓馬術礼法」として、後世に伝承されて行くことになります。
【ピヨ🐣「小笠原長清」とは?】
「小笠原長清(おがさわら ながきよ)」は、鎌倉時代の武将です。
源氏の総大将・征夷大将軍「源 頼朝 卿」に弓馬を指導した程の腕前であったといいます。
以後、源 頼朝から続く、源氏一門の当主の弓馬礼法の指南役として、小笠原家の弓馬術礼法は末代まで脈々と受け継がれて行くととなります。
【ピヨ🐣流鏑馬神事観覧の際の注意点】
※馬が興奮する恐れがあるため、カメラのフラッシュ撮影は禁止となっています。
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