日光東照宮の三猿に4匹目の猿がいた?!「場所・由来・意味・歴史・作者・秘密」など簡単に説明!

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日光東照宮の三猿に4匹目の猿がいた?!「場所・由来・意味・歴史・作者・秘密」など簡単に説明!

日光東照宮・三猿【重要文化財】

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製作年

不明
推定:1636年(元和3年/江戸時代前期)

再建年(大修理)

1952年(昭和27年)3月
2017年(平成28年)3月

パネルの大きさ

横幅:142cm
高さ:44cm

作者

不明

日光東照宮・三猿の読み方

日光東照宮の境内には難しい漢字の表記で読みにくい名前の殿舎が存在しますが、三猿は「さんざる・さんえん」と読みます。

日光東照宮・三猿の歴史

三猿の正確な製作年は不明ですが、神厩舎の竣工(創建)と時を同じくするのであれば、1636年(元和3年/江戸時代前期)には完成していたものと考えることができます。

以降、約10年おきに修理が行われていますが、2017年(平成29年)の修理ように8面すべてが対象となる大規模な修理は1952年(昭和27年)以来、約65年ぶりになるとのことです。

この三猿の彫刻は、経年による老朽化や極彩色が剥げ落ちてきたことに伴い、2016年(平成28年)6月から修理(修善)に出されていました。

よって、三猿の修理期間中は「本物の三猿を精密に模して製作されたレプリカ(贋作)」が神厩舎に据えられていました。

その後、2017年3月30日に晴れて修理を終え、見事に本物の三猿が神厩舎に取り付けられ、31日から一般公開されています。

したがって現在では、創建当初を彷彿とさせる「光り輝く極彩色の三猿」を観ることができます。

修理後に三猿の顔が変わった!?

この新しい三猿がお披露目されてから、主にネット上で、「猿の顔が以前と全然違う」ということが話題となりました。

これまでも三猿は頻繁に修理・塗り直しが行われており、確かにその度に顔つきはやや変わっているのですが、それらと比較しても今回の三猿は、目がかなり大きくなっています。

元祖三猿の顔はもはや知るすべがないので、現存する過去の修理の記録を元に塗り直しが行われるため、どの段階の猿の顔に近づけるのかは、難しい問題です。

ただ、今回に関しては、「過去のものを再現するという意味では明らかに問題がある」ということで、専門家の中には、次回の修理の機会に元に戻すべきだとする意見も出ています。

三猿とは?

ご存知でしょうかか?

日光東照宮には、5173個もの彫刻があります。

その中でも、もっとも有名なのが「見ざる、聞かざる、言わざる」の「三猿の彫刻」です。

向かって左から「耳を手で塞いでいる猿」「口を手で塞いでいる猿」「目に手を当てている猿」です。

「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿の彫刻これらの「3匹の猿」が「三猿」と呼ばれ、通称・「見猿(見ざる)、聞か猿(聞かざる)、言わ猿(言わざる)」と言われる世界的に有名な猿くんたちになります。

三猿の彫刻の場所

日光東照宮には、「神馬(しんめ)」と言う神様に仕える馬がいます。

その神馬が休む「神厩舎(しんきゅうしゃ)」と呼ばれる馬小屋の屋根の下に、三猿の彫刻は彫られています。

日光東照宮の「神厩舎」の場所は、五重塔近くの表門を入って、左手スグになります。

日光東照宮の「神厩舎」の場所は、表門を入って、左手スグになります

日光東照宮・神厩舎についての詳細は当サイトの以下↓の別ページにてご紹介しております。

日光東照宮・神厩舎(三猿)【重要文化財】

えぇっ?!日光東照宮の神厩舎には「まだ7つも猿の彫刻があった」?!

実は日光東照宮の神厩舎には、上述でご紹介した「三猿」以外にもまだ猿の彫刻があるのです。

勘違いをされる方が多いのですが「三猿」とは「8つの猿の彫刻」の内の1つの彫刻になります。

つまり「合計で8つある猿の彫刻のパネル」の中の「見ざる(見猿)・聞かざる(聞か猿)・言わざる(言わ猿)」のパネルが「三猿」になります。

これら日光東照宮の8つの猿の彫刻は、猿の一生を通じての人間としての正しい生き方を示していると言われています。

8つの猿の彫刻の場所と「由来・意味・秘密」

8つの彫刻がある場所

8つの彫刻がある場所は、同じく「神厩舎」に彫られています。

「神厩舎」の他の壁面にも三猿が彫られているのが分かります。

そしてこの壁面に、上述した「8つの猿」の彫刻があり、8つの猿それぞれに意味や秘密が隠されています。

8つの彫刻がある場所は、同じく「神厩舎」に彫られています (2)

1:「親猿が子猿の今後の将来(人生)を見つめている様子」【赤子の時期】

親猿が子猿の今後の人生を見つめている様子。

子猿は親猿を心の拠り所として、親猿を下から熱い眼差しで見つめています。親猿の目線の先には「ビワの実」と「たなびく雲」があり、子猿の未来が明るいことが表現されています。

2:「見ざる、言わざる、聞かざる」の”三猿”【幼少の時期】

「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿の彫刻

有名な三猿のパネル(彫刻)です。小さい頃は、何にでも興味が湧くが、悪事を見たり、悪事を言ったり、悪事を聞いたりせず、良い事だけを受け入れて、素直な心で育っていくように、という意味が込められいると言われています。

3:「座っているの姿の猿」【青年の時期】

座っている猿の姿

まだ座っているが立ちそうな猿の姿が描かれています。これは、これから独り立ちしようとしている猿の姿です。

4:大きな志を抱いて「天を仰いでいる様子の猿」 【大人の時期】

猿は大きな志を抱いて、天を仰いでいる様子 (2)

青い雲が「青雲の志」を暗示しています。「青雲の志」とは、将来、立派な人物になろうとする大きな志のことです。

5:人生における最大の悩みを抱え込み「下を見ている猿」【大人の時期・仕事で悩む】

下を見ている猿

挫折を味わっている猿を、仲間の猿達が励ましている様子が見られます。

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6:「物思いにふける猿」【大人の時期・恋に落ちた猿くん】

物思いにふける猿

イケメン猿、べっぴん猿を見つけたのか、恋に悩んでいる猿くんが表現されています。

7:「ついに恋が成就して結婚しちゃった猿くんたちウフ」【大人の時期・人生のパートナーを得る】

結婚した猿

これから夫婦で力を合わせて、人生の荒波に立ち向かっていこうという姿が描かれています。青い波も見られます。

8:「身ごもってお腹が大きくなった母猿」【大人の時期・結婚後、子供ができる】

身ごもった母猿 (2)

真っ赤な熱ぅ~ぃ恋を実らせ、やがて母親になり子供ができ、その子供が同様の人生を歩む・・つまり、この彫刻のシーンは最初の親子の猿の彫刻のシーンへと繋がります。こうやって人生が繰り返される、ということです。

 

・・いかがでしたか?

このように8つの猿くんたちの彫刻によって、人の生き方を伝えています。

単なる生き方ではなく、より人らしく、品性と希望を持って生きて行くことを、この彫刻は強く伝えています。

ちなみにパネルは8つですが、パネル1枚1枚に猿が複数匹いることが分かるハズです。

神厩舎全体で、いったい何匹の猿がいるかお分かりになりますか?

・・

・・

・・残念賞!違います!

正解は16匹います。

神厩舎に訪れた際は是非!数えてみてください。

えぇっ?!実は、三猿ではなく、4匹目の猿がいて「四猿(しざる)」だった?!!

日光東照宮の三猿は、「三猿」としてその名を知られていますが、実は元来、4匹目の猿がいたと云われています。

と言うのも、上述したような三猿の思想は中国から日本に伝わった思想であり、中国では「4匹の猿」で1つの意味合いを成すセットだと言うのです。

つまり、中国では「三猿」ではなく「四猿(しざる)」と言うそうです。

中国の四猿が指し示す「意味・由来・歴史」

中国では、4匹目の猿を、四猿と書いて『せざる』と呼んでいたそうです。

その意味とは、「せざる=しない(=浮気をしない)」と言うことです。

つまりこれは、「余りある欲は、災いをもたらす」と言った意味合いになるそうです。

↓下の画像の四猿の彫刻の姿を見れば、その意味がよく分かります。

四猿と書いて、『せざる』

どれが、4匹目の猿か分かりますか?

そうです。

一番右端の股間を両手で覆っている猿が「四猿」です。

しかし、日光東照宮の「神厩舎」の上には、どこにも4匹目の猿などいません。

これはいったい、どういうことでしょう??

では、なぜ日光東照宮には「四猿」が存在しないのか?

日光東照宮は、故人となった「徳川家康公」をお祀りするために、建てられました。

つまり、見る者が失笑するような姿の四猿の像は、

あまりにも品位にかけ、家康公が静かに眠る聖なる地に、ふさわしくなく、無礼である

と考えられたことが原因であったと言えます。

まだあった!!「その他の日光東照宮の猿の彫刻」

実は日光東照宮には、まだ猿の彫刻があります。

「えっ?!」と、思われたかもしれませんが、何せ、日光東照宮全体で5173個もの彫刻があるのです。

その中に猿の1匹や2匹いても何ら不思議ではありません。

で、その場所ですが「五重塔に1匹」「本地堂に2匹」「東廻廊に1匹」います。

是非、これらの猿くんたちを探してみて、神厩舎の三猿と比較してみてください。

ところで「神厩舎」に猿の彫刻を彫った作者って誰?

実は、「神厩舎」に彫られている三猿を含めた彫刻は、作者はいっさい不明と言われています。

ちなみに、日光東照宮で三猿と並ぶ人気者の「眠り猫」の彫刻に関しては、作者は左甚五郎だという説が濃厚ですが、その左甚五郎も複数人いるため、どの左甚五郎が彫ったものなのかが定かではありません。

眠り猫の詳しい詳細については当サイトの以下↓の別ページにてご紹介しております。

日光東照宮 眠り猫の意味・由来・歴史・伝説

実は日光東照宮が建てられた際、延べ20万人と言う腕利きの彫刻家がこの日光の地へ寄せ集められたと言うことで、三猿は特定の1人の彫刻家(作者)ではなく「複数人にも及ぶ合作」であったと言う説もあります。

そして、その他にも説があります。

その説とは、なんと!

上述した眠り猫の「左 甚五郎(ひだり じんごろう)」が作者では、ないか?

という説です。

しかし、あくまでも仮説なので定かな根拠はありません。

あなた様はどう思いますか?

先生、質問っ!!「なぜ、三猿(8つの猿)が神厩舎にあるの?」

理由その1:陰陽五行説による馬と猿の相性

猿と馬の歴史と物語【その1】

実は、あまり知られていませんが、日本には「陰陽五行説」と言う思想があります。

陰陽五行説とは何か?

「陰陽五行説」とは、中国の春秋戦国時代から日本に伝わった思想のことです。

「紙」や「羅針盤」に描かれた「木、火、土、金、水」や「甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸」など相対的な関係図を基本として、これからの「天候」や「起こりうる事象」を解決する手段として用いられた占いのようなものです。

この陰陽五行説によると、

  • 「馬」は「
  • 「猿」は「

に、相当します。

したがって、陰陽五行説では、猿は馬に降りかかる火の粉を水の力で振り払う、つまり、「厄災や病気から馬を守る動物」だと言われているのです。

尚、平成になった現代でも、実はまだ「陰陽五行説」の思想が生きていおり、「四柱推命 」などと言った名前に変わって残っています。

猿と馬の歴史と物語【その2】

これは室町時代から伝わるお話です。

まだ人と馬が密接な関係で共存していた時代のことです。

山あいの「とある村」の「民家」では、馬を飼っていました。

その民家で飼っていた馬の体調が悪く、元気が無い時に、たまたま馬小屋に「猿」が入って来たそうです。

翌日、馬が声高らかに、元気に吠えているのが分かりました。

このお話の噂はたちまちのうちに広まり、室町時代やそれ以降の時代では、「猿と馬を馬小屋で一緒に飼う」家が多くなったそうです。

理由その2:えぇっ?!三猿は「日光東照宮の鬼門封じ」のために神厩舎に据えられた?!

現在の日光東照宮・造営時の総指揮(プロデューサー)は南光坊天海です。

天海僧正は陰陽師としての側面も併せ持っていたため、家康公が静かに眠れるように、また、家康公の威容を後世にまで伝えるために、日光東照宮に様々な施策を施しています。

その施策の1つが、この三猿だと考えらえています。

そもそも何故、神厩舎に三猿の彫刻があるのでしょう?

不思議ではありませんか?

別に神厩舎でなくとも、他にも据え付ける殿舎はたくさんあるハズです。

実はこれには深い理由があると考えられています。

それは、なんと!ちょうどこの「神厩舎の場所が日光東照宮の裏鬼門にあたる」と云われているからなのです。

鬼門とは?

「鬼門」とは「北東の方角」、つまり「艮(うしとら/丑と寅の間)」を指します。

裏鬼門とは?

一方、裏鬼門とは「裏」なので鬼門とは真逆の方角という意味になり、これは北東の反対の南西の方角「未申(坤)/ひつじさる」を意味します。

つまり、天海僧正がこの裏鬼門を封じるために三猿を含めた「8つの猿」が神厩舎に据え付けたのだと考えられているのです。

終わりに・・

このように、日光東照宮には、メッセージを表現したような彫刻がたくさんあります。

三猿に関しても、一見、単なる木彫りの彫刻です。

しかし、彫刻の伝えたい意味(メッセージ)を紐解いて行くことで、彫刻を作った人物の人物像や生きた時代の思想がイメージできます。

はたして、日光東照宮を建立した人たちというのが、どのような人たちであったのか?

また、その人たちがどのような思いを込めて、この日光東照宮を建てたのか?

このように日光東照宮の歴史や、その時代背景など考え、理解を深めながら参拝することで、より深みのある参拝ができます。

遠い過去からのメッセージを、紐解きながら彫刻を見てみてください。

彫刻が少し違ったものにも見えてきやしませんか?

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