「三猿」の意味や由来(起源)とは?英語で発音すると意外?

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実は三猿というものは中国の道教から派生した思想(教理)の1つであるとされ、現在ではその道教の教理自体が評価を受けており、その教学の中に登場する三猿の思想も評価を受けるに至っています。

こう言った背景があり、日光東照宮の三猿の彫刻像(レリーフパネル)も評価を受けるに至っています。

では、三猿自体が持つ意味とはなんぞや?

‥‥‥という疑問にさし当たるのですが、このページではその疑問にお答えしてい申す。

東照宮の三猿のパネルをご覧になった後でも良いのでご一読いただければ思いまする。

「三猿」の読み方

「さんざる」「さんえん」


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「三猿」の意味とは?

ちょぃと下掲のパネルをご覧くだせぇな。

「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿の彫刻

これはかの有名な日光東照宮の三猿の彫像です。

これら3匹の猿くんたちはそれぞれ異なる像容で表現されており、それぞれのポージングには意味が隠されてい申す。

現在に至っては、これらの猿くんたちは無言で人生の教訓を伝えているものだと明らかにされているとから、この三猿を見る者は、3匹それぞれの猿くんたちが取るポージングを凝視して、その真意を悟る必要があるのです。

左端の猿の意味

左端には両耳を両手で覆っている。

意味:「聞かざる(聞か猿)」

人生の教訓:『悪いことを何も聞くな』

解釈:自分にとって害となる悪口や、噂話は聞くな。聞いても聞き流せ。

聞くと災いに巻き込まれたり、気持ちが滅入って悪い方へ物事が動いていく。

中央の猿の意味

中央の猿は両手で口を塞いでいる。

意味:「言わざる(言わ猿)」

人生の教訓:『悪い事(悪口)は言うな』

解釈:他人にとって害となる悪口や、噂話は言うな。

言うと、いずれ逆に自分に災いが跳ね返ってくるであろぅ。。ふぉっふぉっふぉっ…..

右端の猿の意味

右端の猿は両手で目を隠している。

意味:「見ざる(言わ猿)」

人生の教訓:『悪いモノは見るな』

解釈:自分にとって不利益なモノは最初から見るな。見たことで災いが降り注ぐようにやってくる。

そもそも見なければ”言わ猿”の概念すら無くなる=言うことも無い。悪いモノ(他人の悪事や中傷するモノ)。

以上をもって三猿の意味とは「3匹の猿の仕草に秘められたメッセージを紐解いて、その内容(答え)を教訓として実践することで、自らの身を守る助けとなり、幸せな人生を全うできるコツ」と言う解釈になり申す。

本当に”見ざる、聞かざる、言わ猿”を表した像なのか?

現在までの通説では三猿と言えば「見ざる、聞かざる、言わざる」と言うのが鉄板の概念とされていますが、果たして本当にそうなのか?

少し見方を変えるとまた違った見解が生まれるのも事実。

答えは簡単。

”目口耳”が身体の重要な器官であると言う事を訴えかけている像

「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿の彫刻

ただ、この説を正とした場合、なぜ猿がモチーフとされたのかにモヤがかかり申す。

三猿の由来や起源とは?

三猿が日本にいつ頃伝わったのは不詳とされています。

実は三猿は中国、東南アジアを中心にアフリカ、ドイツ、スイス、スペインなどの西洋、そしてアメリカ大陸など、世界中の国々に伝播し、日常的に市なので売り買いされていまする。

三猿の像の使い方は、置物として家庭内の玄関先やデスク、棚の上、中には崇拝する人もいるので神壇の上に置かれたりする例もあり、もう1つの珍しい例では、懐中に忍ばせて三猿の教えを常に信条とされている方もいます。

このような現状があるにも関わらず、肝心の三猿の生みの親、つまり、三猿の思想がドコで生まれたのは現在まで謎とされています。

日本における三猿の起源

前述した伝教大師(最澄)が平安時代に遣唐使として中国へ渡り、天台山という山で修行し、その後、日本へ帰朝し、日本で最初に三猿の像を造立したという逸話があり申す。

一説にはこのとき伝教大師が造立した三猿こそが、日光東照宮の三猿であるという説もありまする。

伝教大師が3匹の猿の像を造立した理由は不明瞭ですが、一説には天台教学の根本止観である「空・仮・中(くうげちゅう)」の「三諦(さんたい)」が、「不見不聞不言」に通じたものがあるとし、日本語の打ち消し語である”ざる”が、動物の猿に例えられ、ゆえに3匹の猿の姿で表現したものが三猿の起源とされる説がありまする。

慈眼大師(良源)が詠んだ七猿歌が起源とも

日本においては、10世紀に延暦寺の僧侶「慈恵大師(良源)」が、世渡り上手となるための教訓として「七猿歌(ななえんか)」という「処世訓(しょせいくん)」の中に詠まれた一句、「見ずききかず言わざる三つの猿よりも 思わざるこそまさるなりけれ」が広まったと言う説もありまする。

四猿の起源

では、日本へ伝来した三猿が本来、4匹の猿である「四猿」だったとすれば、その四猿の起源はドコにあるのでしょう。

一説には、中国の儒教の生みの親である「孔子(こうし)」の論語が、四猿の思想を生み出したとも考えられています。

この根拠は、孔子が伝えた”教え”の中に次のような教訓が記述されてい申す。

  1. 非礼勿視(礼儀に背くようなことには見ない)
  2. 非礼勿聴(礼儀に背くようなことは聞かない)
  3. 非礼勿言(礼儀に背くようなことは言わない)
  4. 非礼勿動(礼儀に背くようなことはしない)

以上、4つの教訓があり、これらを表現するために当時、飼い馴らしていた猿を用いたという説もありまする。

三猿の起源は古代エジプト

三猿の像は古代エジプトから多く見つかっていることから、起源は古代エジプトにあると言う説もありまする。

しかしながら、現今のエジプトを見ても分かるようにエジプトには猿は生息していません。そんなことから、猿ではなく、人だと言う説も浮上したのですが、近年になって古代エジプトは緑に溢れていて、猿が生息していたと言う新たな事実が明らかにされます。

そこで再び三猿の起源が古代エジプトとする説も浮上し、現在では古代エジプトが起源であると言う説が濃厚とされていまする。

古代エジプトの「三位一体」の思想が三猿を生んだ?

古代エジプトは世界の文明の始まりとも言われるほど栄えた文明であり、現今に至っては「オリエント文明」や「世界四大文明」とも言われまする。

この古代エジプトには「三位一体」という思想が根幹にあり、「三」と言う数字にあやかって意図したものを表現する風習がありました。

例えば‥‥

家族では「父母子」。時間軸では「過去未来現在」「朝昼夜」。天体では「日月星」。「上中下」….etc

挙げればキリが無いほど出てくるのですが、この三位一体の思想は信仰にも反映されており、有名な例がオシリス神話に登場する「オシリス・イシス・ホルス」の三柱の神です。

太陽神アメン神も女神ムト(ムウト)、コンスと合わせて三柱神です。ワニの頭のセベク神、ハヤブサの頭のハロエリス神(ホルス神の地域名)と言う三例もあり申す。

やがて、このような思想から派生した像も造立されるようになり、当初は猿を模した像ではなく、人をモチーフとした像容だったという見方があったのですが、これはエジプトに猿が居ないと言う実情があったからです。

しかしながら前述したように古代エジプトは緑に満ち溢れ、猿が生息していたと言う事実が浮上すると、見解に変化が生じています。

三猿の像の起源は日本?!

三猿の像はアンコールワット遺跡でも発見されており、それゆえ、エジプトからインドへ伝わり、アンコールワットを経て、中国へ入り、日本へ伝来した後、日本で3匹の猿になったという説がありまする。

その後、日本で初めて造立された「三猿の像」こそが、この東照宮の三猿と云われる説もあり、この説を正とするならば、東照宮の三猿は日本最古の三猿ということになりまする。

つまり、世界最古の三猿という解釈となり、日本の日光東照宮の三猿こそが、三猿の像の起源と言うことです。

三猿のインド起源説

実は前述の四猿はインドで数多く見られることから、8世紀頃にシルクロードを経由して、日本に伝来したと言う説があるようですが、韓国には猿を忌む風習があったことから、中国から直接日本へ伝来したと考える説もあります。

この説を正とするならば、三猿の発祥地はインドにあり、インドから中国を通じて日本へ伝来したということになり申す。

民俗学者「南方熊楠」が提唱した説によれば、青面金剛(しょうめんこんごう)はインドのラーマーヤナ説話に登場する主人公の「ラーマ」の本体にあたる「ヴィシュヌ神」の転化した姿であり、ラーマに仕えた3匹の猿(三猿)は、ハヌマーンの変形だと言われまする。

それゆえにインドが起源とされる説がありまする。

確かに、これを裏付ける説になり得るかどうかは分かりませんが、庚申信仰の庚申塔の石碑には青面金剛のレリーフが見られますが、その下に三猿のレリーフも見られまする。


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三猿のお守りをお忘れなく!

日光東照宮では、この三猿に因んだお守りを授与されてい‥‥申す。

三猿(神厩舎)の付近にはお守りを授与されている場所があるのですが、ココでは下掲写真のような三猿をモチーフとした猿くんの姿が型どられたお守りを数種類、授与されてい‥‥申す。

三猿守りのご利益

三猿守りのご利益としては‥‥「身体健全」「厄除開運」「交通安全」「学業成就」「吉報祈願」などなど、様々でゴンす。

日光東照宮参拝記念に!お土産にぜひ!

【補足】日光東照宮の三猿を英語で発音するとどうなる?

日光東照宮の三猿は世界的に有名と冒頭で述べましたが、いったい外国ではどのように言われているのでしょうか?

実は英語で三猿はこのように発音されてい申す。

『Three wise monkeys』

「wise」は「賢い」という意味のほか、「自分にとって都合が悪いことや余計なことを見たり聞いたりしない。他の人にも話したりしない。」などの意味合いがあります。

ゆえに「Three(3匹) wise(賢い) monkeys(猿)」と解され申す。

「〜 no evil」を使用して表現される例もある!

「三猿」は悪いモノを見ない・悪いことを言わない・悪いことを聞かない‥‥という”悪い(悪意)”に対しての対処法とも位置付けられることから、”悪い”や“不正”を表現するときに用いられる「evil」を使用して次のように表記されることもありまする。

see no evil, speak no evil、hear no evil

もしくは

see no evil, hear no evil, and speak no evil

順番を変えて次のようにも発音されまする。

hear no evil, see no evil, and speak no evil

実はこの三猿の思想や考え方は現在、世界の数十の国々で多大な評価を受けており、例えばインド独立の父と呼ばれている「ガンディー」は三猿の思想に感化され、3匹の猿の小像を用いて「悪は見ない、聞かない、言わない」という教訓を伝え聞かせています。

アメリカの教会でも「猥褻(わいせつ)なものは見ない、聞かない、お下品なこと・嘘は言わない」‥‥という教訓を3匹の猿を用いて伝え聞かせています。

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