日光山輪王寺 大猷院「夜叉門」「四夜叉像(烏摩勒伽・毘陀羅・阿跋摩羅・鍵陀羅)」【重要文化財】

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日光山・輪王寺 大猷院「夜叉門」【重要文化財】

創建年

  • 1653年(承応2年)
門の様式

  • 三間一戸、八脚門
建築造り

  • 切妻造
  • 表裏軒唐破風付(表裏の門の軒に「唐破風」付き)
屋根の造り

  • 銅瓦葺
重要文化財指定年月日

  • 1908年(明治41年)8月1日

日光山・輪王寺「大猷院・夜叉門」の読み方

夜叉門は「やしゃもん」と読みます。

輪王寺・夜叉門の別名

この夜叉門は別名で「牡丹門(ボタン門)」ともいいます。

「牡丹門」と呼称される理由

この「夜叉門」が「牡丹門」と呼ばれる所以は、夜叉門全体には「牡丹の花模様」と「唐草模様の彫刻」が彫られていることから「牡丹門」との由来がきています。

他にも落ち着きと威厳を併せ持つ門構えから「ぼたん門」というネーミングが付けられたとも云われております。

大猷院「夜叉門」の歴史

日光山・輪王寺 大猷院「夜叉門」「4夜叉像」

1653年(承応2年)に造営された門です。

門の左右に連接される回廊を含め、国の重要文化財の指定や世界文化遺産「日光の社寺」の構成される建造物の1つでもありまする。




夜叉門が造営された理由

日光山輪王寺「夜叉門」は、徳川家光公が眠るとされる霊廟(れいびょう)を守護する目的で造営されてい‥‥‥申す。

大猷院「夜叉門」の特徴・見どころ

⬆️裏側から見た夜叉門

四夜叉像

日光山・輪王寺 大猷院「夜叉門」には、徳川家光公や歴代の徳川家の将軍が眠る「大猷院」を守護する「4体の夜叉像」が安置されてい‥‥申す。

夜叉門を拝観しに来られた方の中には「4夜叉像」を拝観しに来られた方もいると思われます。

「四夜叉(よんやしゃ)」とは?

「四夜叉(よんやしゃ)」とは、「青面金剛明王」とも呼ばれる4人の夜叉と呼ばれる護法善神(仏法を守護する神)です。

  1. 阿跋摩羅(あばつまら)
  2. 鍵陀羅(けんだら)
  3. 烏摩勒伽(うまろきゃ)
  4. 毘陀羅(びだら)

これら4体の夜叉は仏法および仏教徒を守護する天部の神四護法善神(ごほうぜんじん)」とも呼ばれまする。

4体の夜叉像の配置
  • 夜叉門の表側に2体
  • 裏側に2体

これら4体の夜叉は、それぞれ身体の色が違うという特徴があり申す。

夜叉とは?

夜叉とはインド神話(ヒンドゥー教)に登場する鬼神のこと。伝承によれば、天夜叉・地夜叉・虚空夜叉の三種があり、地夜叉以外は飛行するとのこと。

表門の夜叉像の名前

毘陀羅・びだら」(赤色)「南の方角を守護」

「毘陀羅・びだら」(赤色)「南の方角を守護」

「阿跋摩羅・あばつまら」(緑色)「北の方角を守護」

「烏摩勤伽・うまろきゃ」(青色)「東の方角を守護」

裏側の夜叉像の名前

「烏摩勤伽・うまろきゃ」(青色)「東の方角を守護」

「阿跋摩羅・あばつまら」(緑色)「北の方角を守護」

烏摩勒伽は全国でもあまり見る機会の少ない稀有な仏様です。その烏摩勒伽の像ならば尚の事。

この烏摩勒伽には以下のような数々の伝承がありまする。

「ひざ小僧(膝小僧)」の言葉の起源

烏摩勒伽の大きな特徴としては、膝頭に象の彫刻があしらわれているところです。

一説には、烏摩勒伽の膝頭の象がキッカケとなり、「ひざ小僧(膝小僧)」という言葉が生まれたという説もあり申す。

「破魔矢」の起源

烏摩勒伽が手にする金の弓矢は、皆々様が初詣のときによく見かける「破魔矢」です。つまり、烏摩勒伽の持物の弓矢こそが、破魔矢の起源ということ。(ただ、破魔矢を参拝客に最初に提供したのは東京都大田区の新田神社とされることから、当神社が破魔矢の発祥とされる。)

大猷院では、この烏摩勒伽の持物である弓矢にご祈祷(永代祈祷)を重ね、「龍神破魔矢(りゅうじんはまや)」という金色の矢を謹製し、それを授与しています。

近年、この龍神破魔矢が某テレビ番組の放送で話題になり、予想を超える申し込みがあったとかで現在、品切れ状態の大人気となっているようです。

詳細は下記、輪王寺公式サイトをご覧くだすわぁぃ

「鍵陀羅・けんだら」(白色)「西の方角を守護」

「鍵陀羅・けんだら」(白色)「西の方角を守護」

鍵陀羅は「乾闥婆」という別名をもつ。

乾闥婆は帝釈天に仕える八部衆の1尊なので本来は夜叉ではなく「ガンダルヴァ」と呼ばれる半神半獣の神とされまする。

しかし、この夜叉門に見られるように四夜叉として配置した場合、「鍵陀羅=乾闥婆」の構図はなく、四夜叉の1神として表され申す。グホっ




乾闥婆とは?

画像引用先:https://www.kohfukuji.com/

帝釈天が暮らす善見城(ぜんけんじょう)内で楽器(簫/しょう)を吹きながら諸神を癒しています。

または天界にあるとされる神々の飲み物ソーマ(神酒)を守る番人、東方の守護神である持国天に仕える神ともされまする。

頭上に獅子の冠をかぶっています。

夜叉門の灯篭(灯篭)

よく見ると、夜叉門を取り囲むようにして、灯篭が荒垣内に添えつけてあるのが分かります。

これらの灯篭は、家光公の眠る「大猷院霊廟」を守護するかのように33基66数基の灯篭で埋め尽くされています。

そして、灯篭1つ1つは江戸時代の当時、日本全国約10万石以上の大名たちが冥界へ旅立った家光公の身を案じて奉納したものです。

極彩色の組物

本殿からの帰り、石階段を降りるときに夜叉門を間近で見れる場所が現れます。絶好のフォトジェニックポイントでもあります。

朱色と金色を基調とした組物や極彩色の組物、柱の上部には獅子の彫刻があしらわれていまする。

その下の詰組の間には東照宮の境内でも見られる花開く牡丹の彫刻が見えます。

八脚門

八脚門とは、早い話が脚(柱)が8本あることから「八脚門(はっきゃくもん)」と呼ばれてい‥‥‥申す。ゲフぉ

具体的には、門中心となる棟下にまず4本の親柱を立て、その前に4本、後ろに4本の控柱(ひかえばしら)を立てて、合計8本としていまする。

出雲大社(IZUMO-OYASHIRO)・八足門(八脚門)(YATSUASIMON)【重要文化財】 | 出雲大社-御朱印

上図を見て、アレレ?‥‥と思った方は鋭い方です。

そうなのです。柱は合計で12本ありまする。

なぜ?

‥‥という素朴な疑問が出てきますが、これは中心の親柱(本柱)4本は数に含めないからです。

基本、門の柱を数えるときはこのように親柱(本柱)は除外して数えまする。

代表的な八脚門

八脚門は建て上げると豪壮感を備えた門になることから、平安京の内裏を守護する「建春門」などに用いられています。

⬆️建春門

他に、島根県出雲大社境内の重文指定の「八足門」や、東大寺(奈良)の転害門などがありまする。




四夜叉守(しやしゃまもり)をお忘れなく!

輪王寺大猷院では、この四夜叉にちなんだ、お守りを授与されていまする。

その名も「四夜叉守」

この四夜叉守りは、徳川家光公370年御遠忌記念を奉祝して授与が開始されたお守りです。

腕輪状のお守りであり、黒の連珠の中央部に四夜叉それぞれの肌の色をモチーフとした5色の珠がハメ込まれてい‥‥‥申す。

5色それぞれの珠には四夜叉と葵の紋が刻まれてい‥‥‥申す。

四夜叉の肌色は揃えるとカラフルふるふるコノヤローなので、ファッション感覚で身につけることもでき‥‥申す。

授与を希望される方は下記、輪王寺の公式サイトを‥‥要チェックやで!…by.彦一

 四夜叉守り

日光山・輪王寺「夜叉門」の場所(地図)

輪王寺「夜叉門」は、日光東照宮の西側の大猷院の境内入口にあります。

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