日光二荒山神社「中宮祠」の境内の見どころ・御利益(御祭神)など

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まず、境内案内地図のご紹介から・・

日光二荒山神社中宮祠の境内地は広大です。麓の敷地だけではなく、その後方の男体山すべて日光二荒山神社中宮祠の境内地なるからです。

境内には参拝者を飽きさせないようなちょっと風変わりな占いなどがあります。

二荒山神社は麓の本宮(本社)の神苑でも「輪投げ」や「ルーレット占い」など、神社としては少し風変わりな催しがたくさんあります。

身体を動かして楽しめる工夫がこらされていますので、少し違った気分で参拝できますので時間の許す限り境内を巡ってみてください。




中宮祠の御祭神と御利益

田心姫命(たごりひめのみこと)

ご利益:安産、生育、子宝わんさか

由緒:宗像三女神の1柱で沖ノ島にある宗像大社・沖津宮に鎮座する神。「アマテラスとスサノオの誓約(うけひ)」によって誕生した神です。厳密には天照大御神の息を素戔嗚尊が持つ剣に吹きかけて生まれたとされています。

大己貴命(おおなむちのみこと)

ご利益:家内安全、開運招来、良縁招来

由緒:出雲大社・大神神社で祀られている国津神の大神。出雲では幽界の主宰神ともされています。180もの子神を持つことから縁結びや子宝わんさかの御利益で有名な神様です。

味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)

ご利益:農業繁栄、漁業繁栄、交通安全

由緒:大国主神(上記、大己貴命のこと)と宗像三女神のタキリビメの間の子神。神名の「すき」は農作業で使用する「鋤(すき)」のことを指すと云われ、鋤が神格化されたのがこの神と正体とされています。

日光山縁起に登場する神々一覧
日光三山日光三社権現日光三所権現日光三所権現本地仏(三仏)日光三神
女峰山(※母)滝尾権現女体権現阿弥陀如来田心姫命(母神)
二荒山(男体山)(※父)新宮権現男体権現千手観音大巳貴命(父神)
太郎山(※子)本宮権現(太郎権現)太郎大明神馬頭観音味耜高彦根命(子神)




中宮祠の見どころ

本殿(拝殿)【重要文化財】

本殿

  • 創建年:不明(推定:784年/奈良時代)
  • 御祭神:男体山(二荒山大神)
  • 再建年:1702年(元禄14年)※江戸時代
  • 建築様式(造り):三間社流造、朱漆塗り
  • 屋根の造り:銅瓦葺き

中宮祠の創建は古く、奈良時代に勝道上人が造営したと伝えられています。

歴史など

中宮祠の創建は古く、奈良時代と伝わっています。

開創者は勝道上人(しょうどうしょうにん)という僧侶であり、日光山自体を開創した人物でもあります。

したがって現在の東照宮および輪王寺、二荒山神社の二社一寺が並び立つ場所も勝道上人が開いた場所です。

以降、皇族の一族となる輪王宮が輪王寺の住職になることでさらに繁栄を極め、江戸時代には徳川家康公の陵墓となる日光東照宮が造営されたことで知名度は日本中に知れ渡ります。

平成11年になると日光二社一寺がユネスコ世界遺産に登録されたことにより、この日光二荒山神社も含め、認知度は世界中の知れるところとなります。

また、かつては中禅寺湖対岸に位置する日光輪王寺「中禅寺」が、この中宮祠の境内にあった話はあまり知られていません。

つまり、現在、歌が浜の中禅寺に祀られている中禅寺の御本尊がこの中宮祠で祀られていたわけです。

しかし明治35年の台風による大山津波にて、御本尊(千手観音像)が中禅寺湖へ流されてしまい、流れ着いた先が現在、中禅寺が建つ、「歌が浜」だったわけです。

以後、このことに縁起を感じた人々の手で歌が浜に中禅寺が建てられ、湖の名前も「中禅寺湖」と命名されることになったとか。

ちなみに中禅寺の「中禅」とは、輪王寺と男体山の中程に建つ禅寺ということで「中禅寺」と言うそうです。

拝殿

ご祈祷を申し込めば拝殿内へ入って参拝できます。入口の桟唐戸(さんからど)上部の扁額(へんがく)は内大臣 三条実美が揮毫したものを模したもの。

中宮祠稲荷神社

  • 創建年:1863年(文久3年)※江戸時代
  • 御祭神:倉稲魂神(宇迦之御魂神)
  • 祭日:3月28日 午後2時〜
  • ご利益:五穀豊穣、商売繁盛

宇迦之御魂神は伊勢神宮外宮の主祭神「豊受大御神」の御同体の神であるとされ、伏見稲荷大社の主祭神「稲荷大神」のことでもあります。

豊受大御神は農業・米の神、いわゆる食物神として古来、崇敬が寄せられています。

中宮祠に食物神が祀られた理由は、中禅寺という山奥の立地柄、畑も少なく、食物に困らないようにとの願いが込められて建てられたとのことです。

運気上昇「龍の松」


上述、稲荷神社の御垣内には「龍の松」と呼ばれる松の木が植栽されています。

”龍”の名前の由来は御察しのとおり、龍のように大きくウネっているからです。

中宮祠さん曰く、松だけでも常に最高のパワーを持っているとのことです。

故に家運隆昌のご利益がそなわっているとのことです。




日光中宮祠七福神

中宮祠の境内には七福神として7体の神像が祀られています。その内何体かの神像をご紹介しておきます。

中宮祠七福神「恵比須神」

  • ご利益:家内安全、商売繁盛

中宮祠の境内には御本殿を取り囲むようして七福神が祀られています。

その一尊が「恵比須神」です。

恵比須の持つ釣竿は「釣りはすれど網は使わず」といったように、強引に大量を狙って欲深に漁をするのではなく、清らかな心を持った平和を象徴しているとも云われます。

中宮祠七福神「毘沙門天」

  • ご利益:厄災消除、金銀財福

すでにご存知の方お多いと思われますが、毘沙門天は四天王のうち北の方角を守護する「多聞天(たもんてん)」です。四天王の中ではもっとも力の強い神とされています。

一尊(単独)の時には「毘沙門天」と呼ばれ、悪に対して怒るので激しい怒りの形相をしています。甲冑に身を包んだ武人姿の像容をしており、手には矛や棍棒を持っていることが多いです。武器と怒りのパワーで業魔を粉砕します。

中宮祠七福神「布袋尊」

  • ご利益:幸運招来、至福

布袋尊の大きな特徴は上半身裸姿で大きな袋を肩から下げているところです。お餅のような耳タブをしていて腹も出ています。

布袋尊が吉凶を占うと必ず当たるそうです。

中宮祠七福神「福禄寿」

  • ご利益:子孫繁栄、家内安全、健康長寿

福禄寿は頭が長く、長い白髭をたくわえた仙人です。長い髭は生きてきた年数を示し、これが健康長寿のご利益に通じるものとされ、健康長寿の神して信仰が寄せられています。

中宮祠七福神「弁財天」

  • ご利益:芸能上達、福財

インドでは水の神として崇敬され、洗ったお金を奉納すると福銭になって倍になって返ってくると信仰されています。

中宮祠の境内には他にもいると思いますので、ぜひ、探してみてください。

男体龍水【銭洗い】

中禅寺湖は別名で「幸の湖(さちのうみ)」とも呼ばれますが、これは明治天皇が名付けられた名称です。

古くは南湖(なんこ)とも呼ばれて神聖視され、古来、神々に捧げ、はたまた、飲料水にもしていました。

この水はそんな中禅寺湖から汲み上げられた神聖な水です。隣には上記、七福神の弁財天が祀られていますので、このお水でお金を洗い清めてから賽銭箱へ奉納できます。ただし、冬は凍っているときがありますので、ご注意ください。

まつぼっくり占い

日光二荒山神社の境内にはたくさんの見どころがありますが、その中でも特にユニークさが際立つのが「まつぼっくり占い」です。

境内の御神木「良縁の松」から落っこちた「まつぼっくり」を使用した占いです。

まつぼっくりを方位磁石のようなルーレットの中に入れて回転させて、止まったところの表示を見て運勢を占うといった占いです。

  • 赤松:最良なり
  • 黒松:必ず叶う
  • 五葉松:努力次第
  • 這松(はいまつ):希望あり
  • 蝦夷松:待つべし
  • 唐松(からまつ):危うし

黄色いハンカチ

中宮祠には中宮祠「開運もうで」と呼称される巡拝がありますが、古来、黄色は金運や幸運を運ぶとされています。

この真っ黄色のハンカチはまさに幸運・金運の色!なんでもこのハンカチに願いを書き込んで御神木「良縁の松」の枝にくくりつけることによって多大な恩恵に恵まれるとのことです。

  • 黄色いハンカチ:1枚300円




御神木「良縁の松」

ニシキウツギの宿り木が生えているという珍種の松。境内に設置している「黄色いハンカチ」を手に取り、良縁を祈願しながらこの松の前の縄に結ぶと「良縁招来」の御利益を得らえるという。

「男体山の大蛇の御神像」と「手振り祈願鈴」

大蛇の御神像

この中禅祠には「戦場ヶ原伝説」というような話が残されています。

その昔、赤城山(群馬県)の神が男体山は自らの領地なので男体山の神に出て行けと主張したそうです。

怒った男体山の神は大蛇に変化し、赤城山の神に襲いかかるのですが、赤城山の神も負けじとこれに呼応し、大ムカデに変化します。

両者ゆずらずの逼迫した戦いぶりでしたが、やがて男体山の神は劣勢に立たされ、「もうこれまでか」と悟ったとき、猿丸と称する弓の名手の加勢を受けて一命を取り留めます。

その後、形成が逆転し、猿丸を随従させた男体山の神はここぞ!とばかりに、その身を黄金色に変色させ、とうとう赤城山の神を降伏させてしまうのです。

この一件後以来、日光に以下のような地名が誕生しています。

  • 神が戦いを行なった場所を「戦場ヶ原(せんじょうがはら)」
  • 血が流れた場所を「赤沼」
  • 勝敗が決した地を「菖蒲ヶ原(しょうぶががはら)」
  • 勝利を歌い祝った場所を「歌ヶ原」

また、赤城山の神が変化した大ムカデは猿丸の弓が刺さった傷跡を癒すために温泉に入って治癒したそうで、その温泉は以後、「老神温泉」と名付けられることになります。

なお、この話はかつて奥日光一帯に生息していた「狩猟民族のマタギ」たちが、所蔵していた秘巻『山立根本巻』『山立由来之巻』にも記されています。(時代は清和天皇の頃(850~881年))

ただ、『山立根本巻』『山立由来之巻』に記されている内容によれば、弓の名手は「猿丸」という名前ではなく、「万事万三郎」という名前になっていること。

それと日光権現は大蛇に変化したのではなく、「白鹿」に化けて山を下って万事万三郎の助力得た‥‥‥となっており、諸所で内容が違ってい‥‥‥申す。グハっ

大蛇が”おろち”と呼ばれる理由とは?

大蛇は別の読み方で「大蛇(おろち)」とも読まれます。

実はこれは古代人が名付けたとされ、”お”は峰、”ろ”は助詞、”ち”は神霊を意味するようです。

蛇がとぐろを巻くと「山」にも見えます。

古代の人々はその様子を見て蛇を山の神として崇拝したとのことです。

手振り祈願鈴

大蛇の神像の前には寺院でよく見かける「金剛鈴」が置かれていますが、これは「手振り祈願鈴」と言って大蛇の神像に対して祈りを捧げるときに使用します。

使用方法は高さ5㎝ほど上げて軽く左右に揺らして、その後で合掌して祈願します。

  • 大蛇の御神像のご利益:勝運、金運、健康、良縁

奥日光大蛇祭

毎年5月第2土曜日と日曜日は「奥日光大蛇祭」が執り行われます。当祭では、この大蛇御神像を神輿にして街を巡幸(渡御)します。

奥日光にお越しの際は、ぜひ!5月第2土曜日か日曜日を狙ってお越しください。

登拝門

登拝門は中宮祠の後方にそびえ立つ、男体山へ登るための入口となる門です。毎年5月5日の開山祭の開かれ、12月25日に執り行われる閉山祭のときに閉じられます。

中宮祠から男体山山頂(奥宮)までの所要時間・距離

  • 所要時間:約3時間30分
  • 距離:約6㎞
  • 一合目遥拝所まで往復で約20分

なお、男体山全体は日光二荒山神社の境内地と定められております。したがって閉山中に門内に入る行為は不法侵入罪になります。
閉山する理由は中禅寺は標高がある上、冬季も長く、比例して積雪も多いことから雪崩の発生が懸念されるからです。併せてくれぐれもご注意ください。




登拝門前「唐銅鳥居」【重要文化財】

  • 造営年:1769年(明和6年/江戸時代中期)

前述、登拝門を見て、登拝門の前の鳥居には目がいきませんでしたか?実はこの鳥居も中宮祠のちょっとした見どころとなります。

両脚の根元部分に注目してみてください。

日光二荒山神社・本殿の付近に立つ鳥居と同じように返り花・反り花が彫られています。まさに神仏習合時代の名残となるものです。

⬆️登拝門前の鳥居の脚元

 

⬆️日光二荒山神社本社前の鳥居の脚元

山霊宮(やまのみや)

本殿(拝殿)左脇には「山霊宮」と書かれた扁額が飾られた御社殿があります。

説明書きにはこう書かれています。

霊峰・男体山を中心とした日光連山八峰に篤い信仰を捧げた功体徳者(功績が優れ得行があった人々)の御霊をお祀りした社殿です。

すなわち、物故者顕彰・先祖供養のための社殿です。

賽銭箱の右脇に「みたま札」というお札が置かれています。

先祖供養として、自分の氏名・住所を記載して納め箱へ納めてお祈りします。

  • 山霊宮「みたま札」1枚300円

御神木「いちい」【天然記念物】【とちぎの名木100選】

  • 樹齢:1100年
  • ご利益:勝負運上昇

山霊宮の近くには「とちぎ名木100選」に選出されている、なんと!「樹齢約1100年ものいちいの巨木」がそびえ立っています。

このような説明書きがあります。

いちいの樹気は周囲を清浄にして、幸運をもたらすとされています。

”いちい”は”一位”とも書き、これは”最高”を意味するものです。

いちいは神職が手持つ笏(しゃく)の材料としても使用されるほど、神聖な樹であり、縁起の良い樹でもあります。

どうぞ1100年もの間蓄積された樹気を体内に取り込んでたくさんの元気をもらってください。

神楽殿

神楽殿では巫女による舞が興じられ、神に奉奏されます。本殿(拝殿)を向かい見て左側に神楽殿があります。

神楽殿には中宮祠の大きな見どころとなる極彩色の天井画があります。

極彩色の天井画

牡丹などの花が格子天井の内板に極彩色で描かれ、天井隅には島根県出雲大社の御本殿に見られるようなカラフルふるフルな雲の絵や、蝶の絵も見られます。

大黒様の開運木

ケヤキの古木の内部に小さな木造の招き大黒天が祀られた開運の木です。

祈願方法

お賽銭箱にはそれぞれ、あなたの祈願したい内容が穴が空けられており、その穴に賽銭を入れて祈願します。

望むご利益:(左)良縁、(中央)安産(成育・授児)、(右)開運

  • 良縁を願う時は「両手で木の肌をさする」
  • 安産を願う時は「右手で木の肌をさする」
  • 開運を願う時は「左手で木の肌をさする」




幸運の杜

中宮祠の社務所の前には小山がありますが、この小山全体が「幸運の杜」と呼ばれ、一応の神苑になります。上記、登拝門の真横に広がっている森林が幸運の杜です。

杜の中に「幸運神社」と呼ばれる神社がありますが、この神社の名前が由来なのでしょうか。

幸運の杜のは主に以下のようなちょっとした占い要素の詰まったアトラクション的なものが設置されています。

厄落とし土器(カワラケ)割り

「鬼」という文字をカワラケに書いて割ると厄災が逃げ失せるそうです。「ストレス発散がてらお試しください」とも書かれています。

幸運神社

  • 御祭神:思兼神(おもいかねのかみ)

幸運神社という神棚くらい小さな神社もあります。隣には折れた御神木があり、案内板がかかっています。

案内板の説明書きにはこう書かれています。

この御神木は幹が複雑に伸びて人間の心模様を写したような木の姿に見えます。

この木を眺めて心の明暗を自覚し、心素直に悩みを抱え込まずに過ごせます様、幸運を御祈願ください。

思兼神は創造神「高御産巣日神」の子神です。天照大御神の「天の岩戸開き」の際、世を明るくする知恵を出した神です。
明るく生きる智慧を授ける心の守護神です。

吉田兼好とゲーテの句が書かれた木板


吉田兼好:「神道に書籍なし 天地をもって書籍とし 日月をもって証明とす」

ゲーテ:「喜んで行ない、そして行ったことを喜べる人は幸福である」

悩みカラ松

松の幹をよく見れば木札がつけられており、こう書かれています。

悩みはつきませんが、くよくよしないこと。誰一人として悩みのない人はいません。

悩みを常に克服することが大事なことなのです。

さらに「悩みを克服する御神木」と書かれています。

つまりこの木に触れて祈願することで悩みが少し和らいだり、もしくは払拭できるということでしょうか。

まっすぐ杉

悩みカラ松シリーズとして第2弾!「まっすぐ杉」と言う杉の木もあります。確かにビシッとまっすぐに堂々とそびえ立っています。その姿は天の御柱として雲の上まで行けそうです。

悩みカラ松と同様に幹に木札がつけれており、こう書かれています。

まっすぐな杉の先を見上げれば大空です。誰にでも気分転換が大切!

ときにはノンビリと心身を休めることも必要です。

迷い解消の御神木

水神の石碑

  • 建立年:大正10年9月28日
  • 御祭神:水波能売神(みずはのめのかみ)
  • 水神の石碑がある場所:境内入口の大鳥居付近

ご利益:湖上安全、開運招来、祈晴祈願、祈雨祈願

この石碑は、中宮祠渡船組合の有志一同が、中禅寺湖の水神に感謝の意を奏上し、湖上の安全祈願を込めて建立したものである。

つまりのところ、単なる石コロころコロコロこんにちわ ではなく、水神の依り代ということなので、粗末に扱うとバチが当たるよ!ということになります。

それを証明するかのように、以下の日程でこの石碑の前で例祭が斎行されています。

  • 水神祭:9月5日 午前10時より

毎年、9月5日には神振行事として中禅寺湖にてスワンボートレースが開催されます。




奥日光の奇石「牛石(うしいし)」

  • 牛石のある場所:唐門を出て宝物館方向へ約30秒

平安時代より、この中宮祠が建つ地は神聖視され、この牛石より先へは牛馬禁則とされ、牛馬は立ち入ることができなかっそうです。

しかし、この戒律を破って牛を引いて侵入を図った者が現れ、そのとき神の怒りをかって牛は石にされることになります。その石にされた牛こそがこの石の正体です。

ただし、オリジナル(当初の牛石)は大正時代に消失し、平成21年になって付近住民の有志一同が牛石として復元したものが、現在の牛石になります。

ちなみに、この石と同様の由緒を持つ石が赤い大鳥居の脇に存在する「巫女石(みこいし)」です。

かつて巫女が女人禁制を破って当地に侵入したため、石にされた・・という伝説を語り継ぐ石コロコロ…コロコロ・・ドコ行った?

・・になります。..こホンっ!

宝物館

  • 創設年:1962年(昭和37年)
宝物館の営業時間(開門閉門時間)

4月~10月(8:00~17:00)
11月~3月(9:00~16:00)

中宮祠の境内には「宝物館」があります。栃木県で最初に設立された私立宝物館です。

当館には日光二荒山神社に伝わる、およそ1万点以上の所蔵品や国宝・重文指定の宝物が出陳されています。

ちなみに日光二荒山神社には以下のようなお宮が飛び地にあります。

  1. 奥宮(男体山/別名:二荒山)(※中宮祠の後方にある山の山頂)
  2. 中宮祠(中禅寺湖付近(※ココ)
  3. 御本社(本宮)日光東照宮近く

この他にも日光中に別宮、末社があるのですが、これらの関係社の宝物をかき集めて収蔵したのが宝物館です。

展示品

刀剣類

大太刀、刀、脇差、短刀、槍など。国宝・重文を含めた170点の刀剣を所蔵。

男体山山頂祭祀遺跡出土品

中宮祠の後方、男体山には奈良時代からの祭祀遺跡があります。大正13年と昭和43年に行われて調査により、約10000点の出土品が発掘されています。すべて重文指定。

現在では沖ノ島(宗像大社)遺跡と並び日本屈指の遺跡に数えられています。

その他

明治天皇がの皇后「昭憲皇太后」が所有した香炉や、1513年(永正10年)に制作された温泉神社銅祠など。

有名な展示品だけ列挙します。

※宝物館の内部は写真撮影が禁止されていますのでご注意ください。

大太刀「袮々切丸」【重要文化財】

画像提供先:日光二荒山神社中宮祠

作刀年:不明(推定:室町時代/南北朝時代)
大きさ(全長):3.4m
重量:22.5Kg

この袮々切丸は大きさ、重量とともに日本一の大太刀と言われるほどの刀です。

「袮々切丸」の名前の由来

「袮々切丸」の名前の由来は、日光山中の沢に棲息していた怪物「袮々(ねね)」が人々を襲い暴れ出したため、夜中にこの大太刀が鞘から飛び出たそうです。

その後まるで追撃ミサイルのように袮々を散々に追いかけ回し、最後は見事!袮々を討ち取ったことから「袮々切り」の名前が付されています。

日光二荒山神社の例大祭では、男体山から雄鹿3頭を生け捕り、その生皮にこの袮々切丸を乗せて奉納する儀式が古来、続けられています。

金銅装神輿三基【重要文化財】

制作年:室町時代(南北朝時代)
作者:不明

御本社、滝尾神社、本宮神社の各社の神輿です。

南北朝時代(1336年〜1392年)に栃木県小山市付近で制作されたとされる神輿です。

宝物館の説明では「雅や京風の神輿とは造形が異なり、坂東風(鎌倉武士を象徴したような)の力強い作風がみられる」とあります。

大太刀「備前長船倫光」【国宝】

作刀年:不明/推定:南北朝時代(1336年〜1392年)
大きさ(全長):1.24m

この大太刀は野太刀または背負太刀とも呼ばれる刀です。

備前長船とは地名のことであり、「備前」とは現在の岡山県ことです。当時、備前の長船という地域には作刀の工房があったとされていることから地名の名前がそのまま反映されて刀の名前になっています。

備前の刀の大きな特徴は、特殊な鍛錬方法によって鍛えられますので、特異な波模様の刃文(はもん)が出ます。

「倫光」とは、作刀者の名前です。

日光二荒山神社 中宮祠の場所(地図)

住所:栃木県日光市中宮祠2484

  • 日光東照宮からバスで約55分/車で約30分

二荒山神社 中宮祠へのアクセス(行き方)

JR・東武日光駅から中宮祠まで

  • 最寄りバス停:東武バス「二荒山神社前」バス停

JR・東武日光駅より東武バス「湯元温泉行き」乗車、所要時間約40分。「二荒山神社前」バス停下車、徒歩約1分。

日光東照宮(日光二荒山神社・本殿)から中宮祠まで

世界遺産バスの切符(乗車券)では中宮祠(中禅寺湖)方面へは行けませんのでご注意ください。世界遺産バスの適用範囲はおおむねJR・東武日光駅〜日光山内までですので、別途料金が必要になります。。

東照宮から中宮祠(中禅寺湖)まで行く場合の最寄りバス停は「西参道バス停」になります。

下車するバス停は上記と同じ東武バス「二荒山神社前」バス停です。

  • 運賃:1100円
  • 所要時間:約1時間
営業時間(開門閉門時間)

4月~10月(8:00~17:00)
11月~3月(9:00~16:00)

二荒山神社 中宮祠の駐車場の場所や収容台数

中宮祠には2つの駐車場があります。

第1駐車場

表玄関の大鳥居をくぐった先にある駐車場です。唐破風の玄関が特徴的な「男体山登拝講社本部」の建物の前にある駐車場です。収容台数は5台ほどです。

  • 駐車料金:無料
第2駐車場

第2駐車場は第1駐車場の真下です。国道120合線に面した駐車場です。中宮祠までは階段を上がる必要がありますので、車椅子の方は迂回して大鳥居まで戻る必要がありますのでご注意ください。

  • 収容台数約30台
  • 駐車料金:無料

いずもれも参拝者兼、男体山登拝者専用駐車場となります。

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