日光山輪王寺「大護摩堂(おおごまどう)」
竣工年
1998年6月
設計
建築研究協会
施工業者
大林組
「護摩堂」とは?
護摩堂は、台密といわれる「天台密教」の寺院であり、その「護摩焚き」の修行(修法)を行うための仏堂になります。
一般参拝者も護摩焚き祈祷を申し込むことができます。
堂内1階では連日、護摩焚きをしていますので、煙の匂いが鼻につきます。
日本における密教は平安期を境に天台密教と真言密教に別れています。
古来よりの伝来では、統一密教においての、本尊は「不動明王(大日如来)」か「愛染明王」となります。
天台密教の本尊は「釈迦如来」とされているのに対して、この大護摩堂の御本尊は「五大明王(ごだいみょうおう)」が安置されております。
大護摩堂の御本尊「五大明王」とは?
五大明王とは、以下の5つの仏様のことを指し示します。
五大明王は、不動明王を中心として、方角を司る守護神でもあり、それぞれ方角の配置があります。
- 北の方角:「台密(天台宗)では烏枢沙摩明王(東密(真言宗)では金剛夜叉明王)
- 南の方角:「軍荼利明王」
- 西の方角:「大威徳明王」
- 東の方角:「降三世明王」
- 中央:「不動明王」
ちなみに、この方角の論理は、日本特有のものだそうです。
大護摩堂の由来と歴史
三仏堂は「国家安泰」などのご祈祷をする所です。
「護摩堂」は上記でご紹介したとおり、「修行を行うお堂」です。
そして、「大護摩堂」は「個人の願い事」のために、護摩を焚いてご祈祷をする所です。
つまり、以下のような理由で護摩堂に「大」の字がつくものと思われます。
- 多くの人を救うといったこと
- 様々な行事を行うために建家自体も大きい
などの由来があるものと思われます。
この大護摩堂のお堂内には、「七福神」や「十二天」など、約30体の仏様や、祖子像が祀られています。
他にも、仏像が数百安置されております。
大護摩堂の内部構造
1階
1階部分には上記、五大明王と十二天、七福神、円仁像、天海大僧正像などの30尊が安置されています。
2階
2階部分には薬師如来、釈迦如来、阿弥陀如来の3尊像が安置されています。
大護摩堂・仏画「大昇竜(だいしょうりゅう)」
作者:吉原北宰氏(日光社寺文化財保存会)
大護摩堂の仏画「大昇竜」は、吉原北宰画伯により、おおよそ2年半という期間で製作された「天井画」になります。
吉原北宰氏画伯は、国の人間国宝として認定登録されており、ここ輪王寺だけではなく、栃木県内の神社などにも、壁画などを奉納されております。(同氏は「国指定彩色保存選定技術保持者」でもある)⬆️写真は大護摩堂で厳修される「両大師縁日」の様子(画像は輪王寺公式より)
大護摩堂の行事・イベント
大護摩堂・「護摩焚き祈祷」
輪王寺の大護摩堂は日光山唯一の護摩祈願所であり、内部では毎日、護摩焚きが行われています。
この護摩焚きは「祈祷会」になりますので個人の方も参加できます。
護摩焚きの時間
※以下の時間帯で毎日3回祈願が行われています。
- 7:30
- 11:00
- 14:00
※令和3年4月1日より、以下、1日5座の護摩祈願を執行中。
- 7時半、9時半、11時、12時半、14時
護摩焚き祈祷の申し込み方法
祈願時間の10分前に大護摩堂受付まで。
護摩焚き祈祷の料金と所要時間
- 祈願所要時間:約50分
- 祈願料金:3000円
護摩堂の写経
この護摩堂2階の仏間では不定日に毎月2回、写経会が開催されてい‥‥‥申す。シャキュィァっ(”写経”を表現)
写経の時間・受付時間
午前9時から※要問い合わせ
写経の料金(志納金)
1000円
写経の内容
般若心経の経典の中から276文字を写経
写経の所要時間
約1時間から2時間(初心者でこの時間)
※時間制限なし
写経体験もあり!
月2回の写経会以外にも常時、大護摩堂の二階仏間を開放の上、写経体験を実施されてい‥‥‥ます。フェイント
写経体験の詳細については下記、大護摩堂(輪王寺公式)を参照💘
写経申込者には限定御朱印の授与もあり!
昨今、輪王寺大護摩堂では写経申込者限定の御朱印を申込者に漏れなくお授けしているとのこと。
写経・護摩焚きのお問い合わせ先
住所:栃木県日光市山内2300
TEL:0288-54-0531
FAX:0288-54-0534
URL:https://www.rinnoji.or.jp/temple/gomadou/
大護摩堂の場所(地図)
大護摩堂(護摩堂)は、三仏堂の裏側にあります。
付近にはロケット形をしたオブジェのような相輪塔や、護法天堂と呼ばれる堂舎があります。
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